豊かで貧しい現代

  何もかもが、虚しく観へる。

総てが、虚しく観へる。

世界は小綺麗で、清貧で、空っぽだ。表の世界は整っていて、人間臭さが無い。見せかけの美しさ。それが、今の日本である。無機的なのである。血が通った人間がいない。みな虚ろである。そんな時代に僕等は生まれた。

 男女の愛さえも、ただのお洒落な道具になってしまった。僕等は、何処へゆくのか。何を見失ったのか。

有期的に繋がる人間同士の、愛情、友情、嫉妬、憎悪、それさえも見せかけの美しさに變へてしまうのか。